言霊
私たちは、日々言葉を使い、日々生き、日々、言葉を使い生きていることを、改めて考えてみることにしました。まず、ヨハネによる福音書1章1節です。
【太初(はじめ)に言(ことば)あり、言(ことば)は神と共にあり、言に在り、万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。】その言(ことば)は言霊といわれています。それについて書かれている豊田国夫著『日本人の言霊思想』から・・・
一 言霊思想の原点(1言霊とは)
コトとタマ
まず、コトダマという言葉自身である。出典のようにこの古語は、近世になって国学者たちが語学関係でよく用いるまでは、あまり使用されていなかった。現代でも、コダマとかヒトダマほどにあまり知られない。・・・
コダマは「木精」とか「木魂・木霊」と書かれるが、コトタマはふつう「言霊」と書かれて、それが「言葉の精霊」を意味するものだろうというぐらいである。そして、そんなものは昔の人の迷信だったとしか思われていない。それをとりたてるのは、よっぽど「もの好き」の部類かも知れない。・・・
「言」と「事」を同語源とみるのは、すでに辞典の一般的解釈となっていて、たとえば、「古代社会では口に出したコト(言)は、そのままコト(事実・事柄)を意味したし、また、コト(出来事・行為)は、そのままコト(言)として表現されると信じられていた。それで、言と事とは未分化で、両方ともコトという一つの単語で把握された。」(岩波『古語辞典』)とあり、事は、人と人、人と物とのかかわり合いによって、時間的に展開・進行する出来事、事件などをいって、モノとは時間的に不変の存在であるという。・・・(P23)
タマという語は美しい石や宝石類など、あるいは事物の美称として使われるほか、主として霊魂をあらわす言葉に深いつながりをもつ。霊魂観念の語には、イノチやチカラのチ、クシビやムスビのビなどがある。イノチは生命力、チカラは霊威をあらわす。
タマもイノチと同じく生命力を含むが、たがいに狭義の霊魂のみをいうようになった。
チやヒが主として非人格的な霊威や呪力など、いわゆる*「マナ」の内容をいうのに対して、タマは主として人間の内部から発する霊威を意味する。
タマが霊力をあらわす例としては、まずコトダマがあげられ、フトミタマ・ウカミタマなどがある。この場合のタマは、言葉や事物の精霊のことで、ひろい霊威の意味である。・・・ふつう、タマは玉・魂・霊の字でかかれるが、ムスヒのヒにも古来、霊の字をあてているのは、タマにヒの観念があったからだろう。・・・ムスは生産・生成で、ヒはその霊威をいう。日子(ヒコ)・日女(ヒメ)のヒは、霊威なるものの代表で、太陽崇拝からの名称であろう。(P24)
そして、その「コトバ」は、私たち日本人は、五十音という「音」を基に組み合わせてのコトバを戴いています。
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