日本の神様

明治天皇お歌『とこしえに国まもります天地( あめつち) の神のまつりをおろそかにすな』に始まった新年でした。
『神道と日本人』という著書の伊勢神宮が体現する「永遠の循環システム」に【西洋やイスラムの神概念は、絶対的な万物の創造主であるがゆえに「一神教」である。一方で、日本の神概念とは、あくまで汎神論的で、時空を超え宇宙や自然のなかでその場に斎く共存共栄的・調和的な「八百万の神々」と呼べるものである。】
続けて、「日本の神とゴッドはどう違うのか」という文です。
よく日本の神を「ゴッド」と訳し、戦時中の天照大御神のように「絶対神」と評されるときがあるが、これは「国家神道」のある一時期だけに起きた、日本の神に西欧的な絶対的なものを求めすぎたための大きな誤解である。
そしてまさに伊勢神宮には、その西欧とは異なる、無理や無駄のない美しい日本の「かたち」が存在する。
伊勢の神宮は、いまやひとつの観光遺跡となってしまったギリシアのパルテノン宮殿などとは異なり、本来の神観念というものが生き続けています。
二千年の歴史を持っているからこそ、伊勢に来てもらえば、それを感じていただける。
伊勢の神宮は、堅剛な石材ではなく、木と萱でできています。だから、本来は真っ先に朽ちるべき、はかないものに見えますけど、本当は滅びるものであるがゆえに、日本人は新しいものをうけ永遠のシステムを手に入れた。ということができるのです。
逆説的ですが、伊勢の神宮には古くて新しいものが現存している。ということは、永遠とは繰り返すことでしかない、という意味になるわけです。
古くて新しいもの・・・・すなわち、伊勢神宮の「かたち」の根幹には、未来永劫続く永遠が存在するというのだ。この「永遠のシステム」とは 永遠性を確保するために、はかないように映る「”いま” を繰り返すこと」しかないという日本の哲学であるといえる。
河合氏が指摘するように、西欧では頑強な石材で出来た神殿は、他人の手によって壊され、いつしか見る影もないほど廃れた「遺跡」になってゆく。西欧人たちは、曖昧で「あやふやなもの」や「はかないもの」を嫌い、また新たなる絶対的なものを目指そうとするのであろう。
しかし伊勢神宮は、いまにも朽ち果てるように映る「いま」をあくまで大事にし、「はかないものこそが本当は永遠に続いてゆくものだ」という”自然界の真実” を証明している。
鴨長明の『方丈記』にしるされる「ゆく川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」という日本人の「無常観」は、仏教的な価値観だと思われているが、本来は日本の神道にこそ存在していた。この「無常観」は、二千年前から続く日本の精神性の支柱である伊勢神宮の神道のなかに、むしろ根源的なかたちとして、残されてきたものなのである。
神宮の要のお祭は、天照大御神の「神座の御引っ越し」のこと、と書かれています。
【伊勢神宮では「いま」が、あらかじめ「はかないもの」や「滅び去るもの」として木や萱を用いた建築物としてつくられている。】
それは、【古い伝統のかたちを保ちつつ、「過去」と「いま」を新たな未来につなげ、「永遠への祈り」を奉る、日本の神事の基本】との事。
それは、【日本人は「くり返す」ことでより良きものをつくり出してきた。】という事。【「永遠の繰り返し」を引き継いだ伊勢神宮では、平成17年からはじまり、平成25年まで続く第62回目の式年遷宮を迎えている。】という、20年ごとに繰り返されてきた伊勢神宮式年遷宮は、1300年の間続けられてきました。
私がこの世に生を戴いたのが昭和4年(1929 年)10月です。その昭和4年のお正月、伊勢神宮にお詣りをした父は、既に男子二人を戴いていたので、今度は女の子を戴きたいとお願いしたそうです。その年の10月7日に女の子の私が誕生。父は神様にお礼を申し上げて、伊勢神宮に流れる五十鈴川の「五十鈴」の名を戴いて私に付けたと、何度も聞かされました。
そのこともあり、私は、折あれば、伊勢神宮にはお詣りをさせて戴き、五十鈴川のお水で、お清めをさせて戴きました。
今生、日本に生まれた私は、キリスト教、仏教とのご縁も戴きました。それはそれで、私には大切なご縁でした。近くの神社の境内のお庭を遊び場にして育ち、全てに大きく包んで下さる日本の神様に育てられたようだと思い出しています。
そういえば、私の父は、毎朝、まず神棚のお水を取り替え、神様に二礼二拍手をして、次に仏壇のお水を取り替え、お線香に火を点けると、般若心経を唱えていました。
そして、父も母も、近くにできたプロテスタントの教会に、子供たちが日曜日の礼拝に行くことを勧めました。母は、女学校がキリスト教でした。父はドイツに留学をした人でした。父も母も子供たちに、精神的な学びを大切に考えていたと思います。
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