おわりに
余命
『人をつくる言葉』の最後のページの文です。
精一杯生きて 人の何倍も
仕事をしてきたと思えば
百歳以上も生きたことになる
これからは
天からいただく余命であり
日々新たな想いの中で
歳を重ねていきたい
あとがきにかえて
この最後のページの文の横に、大村智氏のお写真がありました。天からいただかれる余命に、日々新たな想いの中で歳を重ねておられるお顔なのでしょう。
『自然が答えを持っている』という著書の「はじめに」に大村智氏の書かれた文です。・・・
私が基礎研究にのぞむ哲学をお話しするあらゆる問題やニーズに対する答えは 自然の中にあると強調したい。
微生物は我々の要求に応じてくれる無限の天然資源だ。
健康と経済社会への恩恵をもたらす天然起源の化合物を、これからも探したい。
次の世代の科学者にも続いてほしい。50年以上に及ぶ私の研究手法は、茶の湯の大切な要素である「一期一会」という考えの影響を受けてきた。茶の湯は日本文化の中で、尊重の精神を非常に大切にする。そして、ある瞬間のある出来事は二度と起きないと考える。チャンスが現れたらそれをつかむことが大切だ。
私は同時にすべての仲間、そして微生物に対する深い敬意を持っている。
こうした感覚はすべての優れた科学研究と発見の基礎となるべきものだ。
最後に、ノーベル生理学・医学賞の選考にかかわったすべての人たちに深く感謝する。発見に至るあらゆる段階で協力してくれた人々を代表して、謹んで賞を受けたい。
【これからは天からいただく余命であり日々新たな想いの中で歳を重ねていきたい】と最後に書かれた文を読ませて戴いて、今生戴かれた人生を、見事生かされ生きられた方の文と、読ませて戴きました。
そこで、私ですが、「戴いた人生を大切に歩ませて戴いた、そのお導きに感謝申し上げます。」と、まず、お礼を申し上げましょう。思えば、全てが、お導きの中のご縁を戴いて生きてきました。
「余命」の今は、そうした今生のご縁のお導きへの感謝の言葉を綴る日々です。
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