平和の祈りから・・・
毎年、訪れるる8月15日。2006年からインターネットに記載を始めた「小さなうつわのメッセージ」には、「終戦記念日」に「平和」を取り上げてきました。
2014年8月10日(HP・No474)の「はじめに」にアッシジのフランシスコの『平和を求める祈り』を記載しました。今年も読んで祈ります。
『平和を求める祈り』
わたしをあなたの平和の道具としてお使いください
憎しみのあるところに 愛を
いさかいのあるところに ゆるしを
分裂のあるところに 一致を
疑惑のあるところに 信仰を
誤っているところに 真理を
絶望のあるところに 希望を
闇に 光を
悲しみのあるところに 喜びをもたらすものとしてください
慰められるよりは 慰めることを
理解されるよりは 理解することをわたしが求めますように
わたしたちは与えるから受け
ゆるすからゆるされ
自分を捨てて死に 永遠のいのちをいただくのですから
この【自分を捨てて死に永遠のいのちをいただくのですから】というこの祈りの文に続けて「平和はただ解りあう事」と題した『アインシュタイン150の言葉』が記載してありました。
その文は『何かを学ぶためには、自分で体験する以外に良い方法はない。・・・』
『観察したり、理解したりする喜びは、自然からの最大の贈り物だ。』というこの文を久しぶりに読んで、母の躾けと同じだったという事を思い出しました。
私の子供の時は、母国日本は戦争中。忘れることの出来ない戦争の思い出、それは、母の死です。そして、その母の死姿による遺言です。
私の戴いた人生の土台の時は、昭和の始め、戦争前でした。その前の大正時代の名残があり、その時代の自由な心は、私達を育てる母から感じていました。母は、自由を愛し、芸術を愛し、自由な創造の世界を楽しんでいました、が・・・。
夫が、当時、軍の重要な地位にいた軍人故に、ある出来事により母は心を病み、厳しい軍部の命令により、苦難な場を与えられ、戦争が本土に及ぶと思われる頃、軍部の「絶対命令」により動物園の大型の動物たちと同じように餓死。その「最期の死姿」が、娘の私への母の遺言となりました。
『【文集】5月という月のご縁』に、書いた文です。
私の12 歳の時、ひとりの人の死に逢いました。
かつては豊かで華やかで美しかったその人は骸骨のようにやせ細り、汚れた綿剥き出しの裸布団の上に襤褸のように転がされて死んでいました。あの豊かな結い上げていた頭髪はむしりとられていました。戦争の始まった翌年、狂ったといわれた人の生かされない、活かされた姿でした。その日から私の心は閉ざされました。
その人はこの世ではかけがいのない人「母」でした。・・・
お母さま
あなたとお別れしたのが、私の12歳の時。その7月5日でしたから、何と60年余という年月が経ちました。実際は、病院に入っていらっしゃったから、日常的な思い出は、8歳頃までだつたと思います。
母なる働きという今回の小さなうつわのメッセージに、あなたの私に言われていた「はい」だけで「いや」なし。「だって」「でも」なし。というあなたの躾を思い出して書きました。この躾の素晴らしかったことに、お礼もうしあげたくなったので・・・。
ありがとうございました。2003年8月16日、被昇天の聖母に捧げての感謝です。
8月15日は被昇天のマリア様の祝日でもあり、終戦記念日でもあります。
身をもって、戦争という時代を経験した者には、この日は、多くの思い出を甦らす日でもあります。マリア・アスンタという洗礼名を戴いたということもあり、聖霊によってキリストを身ごもられたマリア様は、肉体のまま昇天されたということを考えました。
肉体というもののお恵みを戴いたことにより、被昇天という意味を教えて戴いたと思いました。そのことは、此の世の母が肉体により、身をもって示された姿、その様のことを思います。肉体による表現の摂理のことです。私達に下さる摂理は、肉体を通して戴いております。十字架上のキリストのお姿を思い浮かべております。
おしゃれが好きで、家に髪結いさんを呼んで、長い髪を特別に日本髪を結っていた母の黒髪はなく、毛は不揃いに切りとった坊主頭でした。母の看病をしていた兄が、後で話してくれたところによると、頭も身体も洗えない独房に入れられて、頭に虱がわいて、母は、余りに痒いので髪の毛を1本1本抜きとった、とのことでした。
私の今生は、10歳の時の母の死姿を遺産とし、純粋な魂の導きを遺言として生きてきたと思います。そうした母の遺言の導きは、障害をもたれた方々との素晴らしい不思議なご縁を戴くという人生でした。
お盆の御中日の8月15日に、お母さまに「難有り」というコトバをお団子のように丸めて「有難う」と握り返し、感謝の心をお供え致しました。
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