Ｎｏ．２８ - 小さなうつわのメッセージ

Ｎｏ．２８　※メッセージ

　中川宋淵老師との勝縁

　私は中川宋淵老師のことは、２０００年には何一つ存じ上げていませんでした。突然１２月の暮れのおしせまったときに、田辺和子先生からお電話をいただき、中川宋淵老師の縁のある塩山の向嶽寺、大菩薩峠の三界庵の近くに住んでいると思われてのお電話だったのです。
　まだお目にかかったこともない、どのようなお方かも分らない田辺先生。ただ、その数日前に「周梨般特」について記してある仏典を読みたいと捜し、「法句比喩経」に書いてあるということで、出版社を通して「法句比喩経」を本にされた田辺和子先生にお電話をしたことにはじまるのです。
　それもまことにおかしなことで、やっと手に入れた「法句比喩経」です。すぐさま周梨般特の名を捜してページをめくるのですが、どうしてもみつからないのです。翌日、本屋に行ってその話をすると、即座に出版社に電話をかけてくれました。出版社に「何ページに“ 周梨般特"のことがでていますか」と訊ねると、田辺先生の電話番号を教えてくださり、「直接聞いてください」とのことでした。その場で本屋は田辺先生に電話をかけてくれました。電話口に出られた田辺先生にうかがうと「どこかにありますが、今はページはわかりません。」ということでした。それでは探すしかないと思い、本屋に礼を言って電車に乗り手に持っていた「法句比喩経」を開くと何とそのページは「周梨般特」のことがでているページでした。
（どうして？）と思わずにはいられません。お騒がせをしてしまったと、田辺先生のところにすぐにおわびのお電話をして「周梨般特」をどうしても知りたかった理由とそのことに縁のある山梨の牧丘というところに住んでいますと一言申し上げただけですが、その一言で田辺先生とご縁がつながるのです。

　２００５年１０月№１２．１３．１４の小さなうつわのメッセージのに載せた文を読んでいただければと思います。

　それから山梨の県立文学館に行ってみると、中川宋淵の書は展示してありますし、著書も何冊もありました。大菩薩峠にも登り勝縁荘の益田様にもお会いして、修行の頃の老師のおはなしをうかがうこともできました。
　今回は２月１０日の中川宋淵老師のお話をおききするのに、参考資料としてのご本をご紹介させて頂きます。

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